今後のドル円の上昇幅は限定的となる可能性

この記事を書かせて頂いたWillcanのTwitterは以下です。
専門は新興国です。
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ここまでずっと円安が進んできたが、更なる円安の余地は限られてきたと見ている。

理由は以下の3点。

まず1点目は、市場がFEDの将来の利下げの可能性を見始めていることである。
FEDは2023年の後半には利下げに舵を切る可能性がささやかれている。
当面日銀は利上げできないということが今までの円安の主な要因であった。
そしてFEDが利上げを進めることで金利差が広がることにより円安が更に加速した。
しかし、将来的にFEDが利下げに転じるということは、将来的には金利差が縮まる可能性があるということである。
そんなに先のことに市場が反応するのは変だと思われるかも知れないが、市場は常に先を見ている。
だからこそこの材料は非常に重要なのである。

2点目は、ECBが50ベーシス利上げしたにも関わらず、EURの買いが持続しなかったことである。
ECBが利上げ、しかも50ベーシス利上げしたことで、円は金利差から完全に置いて行かれる可能性もあった。
しかしながら、そうはならなかったという事実が重要であると考える。
つまり、ECBの大幅利上げは必ずしも市場から好感されていない可能性があるということである。
これには恐らく2つの理由があると考える。
1つは、ECBの利上げが、力強い景気状況からの結果ではなく、ロシア危機から来る仕方のない選択だったという見方をしている参加者が多いため、利上げがポジティブに捉えられなかったのではないか。
もう1つは、先ほど言った通り、FEDの利上げの先が見えてきたことである。
FEDが将来的に利下げをする可能性がある中で、ECBの利上げの持続性にも疑問符が付くのは仕方のないことだと考える。

3点目は、逆説的なのだが、日本だけが利上げをしないことによる安心感である。
基本的に、利上げは、債券・株の両資産にとってネガティブである。
利上げにより金利が上がれば、債券は売られるし、金利の上昇は株の重石となるからである。
実際に、FEDが利上げを進める中、米国債は売られたし、米国株は売られた。
ECBが利上げに転じるにあたって、欧州債は大きく売り込まれた。
そして、そこからの連想から、日本もいつかは利上げを余儀なくされると考えられ、海外投資家は日本国債を売った。
しかしながら、黒田日銀総裁の断固とした姿勢により、海外投資家の日本国債売りは今のところ功を奏していない。
今週、面白いデータが発表された。
海外投資家が日本の中長期債を1.7兆円買い越しているのである。
これは新規で日本の債券を買っているのではなく、売っていた日本の債券を買い戻している可能性が高いだろう。
つまり、利上げする欧州よりも資本流出の可能性が低いということである。
米国に関しては、将来的に利下げとなれば、現在は資本流出していても、将来的には資本流入が期待できる。

以上から、ここからの円安の余地は限られてきていると見ている。

ソース:財務省、統計表一覧(対外及び対内証券売買契約等の状況)
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/itn_transactions_in_securities/data.htm
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/itn_transactions_in_securities/week.pdf
対内証券投資の中長期債のところをご覧下さい。

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この記事を書いた人

米国株・ブロックチェーン/Web3投資家。
●米系証券会社でヘッジファンドトレーダーとしてキャリアをスタート
●株・仮想通貨・債券・為替・不動産を対象に投資運用
●米投資銀行にて企業買収(M&A)業務も経験
●外資系金融機関で約10年勤務
●海外生活合計約10年で現在も海外在住

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